- 2024年9月1日日曜日
- PostedFACTORY KAFE工船
オールドセイコー -60年前の機械式腕時計たち-
久々の展示会のお知らせです。FANCY SHOPでは初となる腕時計の展示販売会です。
今回は、60年前のセイコー機械式腕時計”オールドセイコー”を収集、再生・販売しておられる、森越時計店の森越さんによる展示・販売会です。
9月13日-23日(12:00-21:00)の間、開催します。火曜日は定休日です。
森越時計店 オールドセイコー -60年前の機械式腕時計たち-
9月13日-23日(12:00-21:00) at KAFEKOSEN内, FANCY SHOP
森越時計店
森越 健 Ken Morikoshi
セイコークラウン中三針。
そのシンプルな意匠、用即美に惹かれ、クォー ツショック以前のセイコー機械式腕時計オールドセイコーの収集を始める。
時計学校で学び、現在はオールドセイコーの再生・販売を行っている。
森越さんの在廊日、時間は、13,14,15,16,21,22,23日の12:00-18:00です。
※在廊日などは変更になる可能性ございます。
森越時計店、店主の森越と申します。
この度は、時計学校で共に学んだ友人であるオオヤヤスミ氏に声をかけていただき、古いセイコーの機械式腕時計の展示販売会を開くこととなりました。
KAFE工船常連のお客様、またこの告知をご覧の皆様におかれましては、腕時計自体に馴染みのない方もおられると思います。
それに関しましては、ヤスミ氏が別項にて熱く語っておりますので、ここではなぜセイコーなのか?その魅力を知っていただこうと、”セイコーのライバルはセイコー”という観点から、ご紹介をさせていただきます。
【セイコーの原点 ”精工舎”】
1881年、服部金太郎が東京・銀座に「服部時計店」を創業しました。
輸入時計の販売や修繕を行う店としてスタートし、その後、時計の製造や卸売業にも進出、1892年に日本初の国産時計を製造する工場として「精工舎」を設立します。
【二つの精工舎】
1937年、服部時計店は腕時計の生産を強化するために精工舎の懐中時計、腕時計部門を分離独立させ、東京・亀戸に「第二精工舎」を設立しました。
1943年、戦局の悪化に伴い、第二精工舎は工場を各地に疎開させます。
そのうち、諏訪では服部時計店の元従業員が協力工場として大和工業を設立しており、疎開した第二精工舎諏訪工場と共に時計の製造を行いました。
戦後、各疎開先の工場が撤収され、再び亀戸に集約される中、諏訪だけはその地に残って時計製造を続け、1959年には大和工業が事業を譲受し「諏訪精工舎」として独立します。
1970年には精工舎も服部時計店から分離し、ここに諏訪の「諏訪精工舎(現セイコーエプソン)」と、亀戸の「第二精工舎(現セイコーインスツル)」という二つの「精工舎」が並び立つこととなります。
諏訪精工舎と第二精工舎は同じ「SEIKO」の名を冠しながらも、それぞれが独自に設計、製造を行っていました。
工場の所在地から「諏訪」「亀戸」と呼ばれ、文字盤には各自の製造元を示すマークがあしらわれました。
セイコーの歴史は、内部競争を通じて技術革新と品質向上を追求してきた物語です。諏訪精工舎と第二精工舎の競争は、セイコーブランドの発展に大きく貢献し、1960年代から1970年代にかけて多くの革新的なモデルを生み出しました。
そう、”セイコーのライバルはセイコー”だったのです。
二つの精工舎の時計は、精度を競うジュネーブの天文台コンクールにおいて上位に入選し、ついにスイスの機械式腕時計に追いつき、その頂点にまで上り詰めました。
その後、セイコーは1969年に世界初のクォーツ式腕時計「セイコークォーツアストロン」を発売しました。
クォーツ式腕時計は高精度で低コストなため瞬く間に普及し、日本のみならず世界中で大きな変革を引き起こしました。
これが俗に言う、”クォーツショック”です。
従来の機械式腕時計は、これを境に時計業界のメインストリームから降りることとなりました。
簡単にご紹介致しましたが、いかがでしょうか?
今回の展示販売会では、諏訪精工舎、第二精工舎の機械式腕時計を取り揃えておりますので、少しでも興味を持たれましたら、ぜひKAFE工船にご来廊くださることをお待ちしております。
オーストリアで創業されたメーカー"ヒルシュ"の時計革ベルトの販売もございます!デットストック品です。
販売後の時計のメンテナンスについて
今回販売する商品につきましては、3ヶ月の保証がついております。
保証内容や故障に付きましては、森越さんまたはKAEE工船にお問い合わせください。
また、保証期間外の修理は有料ですが承ります。ご相談ください。
こんにちは、オオヤコーヒ時計課(無いです)のオオヤ ヤスミです。
実は、機械式腕時計の修理に興味があり、去年は1年間コーヒーの仕事をしながら大阪の時計学校で勉強をしておりました。まだまだ私が時計を修理して販売することは難しそうですので、学校で出会った森越さんにお願いして、展示・販売会を開催することになりました。
スマホ、スマートウォッチなど、時計の機能も複合された便利なものがある世の中で、わざわざ機械式腕時計を身につけるような人は少なくなってきていると思います。家電量販店や、ホームセンターとか、腕時計を売っているところは沢山あるのに、つけている人は少ない。
商品として新しいものを一から作り出すのも素晴らしいし、魅力ももちろんありますが、古いものを修理して使うということの方が、特に今の世界を見るとよっぽど意味のあることのように感じられます。
今のところ、国や大企業などが得するために新しいものが生み出され消費されているだけで、結局また新しい機能がついているのか、ついた風なのかの新しいものが生み出されそれを欲しくなり買ってしまう。
では、前に使われていたものはどうなるのか?売られるなり、捨てられるなり。結局いろんな意味でロスは多くなる一方なのにそこに意味はあるのか?主にロレックスなど、歴史あるヨーロッパのウォッチメーカーは自社の製品は年代かかわらず自社で修理をする方向に向いてきていることも確かです。
今回のオールドセイコー、何が魅力なのかというと、電池無しで時間を測れる機械が60年間も動き続けているということ。パーツのすり減りなどはありますが、パーツ交換や調整でまだまだ動きます。これは、古い時計全般に言える魅力です。
当時のセイコーの職人が、時計の歴史としては浅すぎる日本で、全力を注いで作り上げた時計は今も健在。アツいです!
まぁでも、何より見た目です。古いものにしかないデザイン、文字盤のヤレなどの味、レアな文字盤、それもまた魅力です。私は、トップの写真の数字の文字盤の時計がおすすめです!この時代、数字文字盤はレアらしいですよ。
見た目からでも全然OKです、難しいと思わず少しでも興味があれば一度来てみてください。来て、森越さんにその時計についてのお話を聞いて、腕につけてみたり、文字盤を眺めてみたり、ムーブの音を聞いてみてください、で欲しくなって買ってください。笑
この年代のセイコーの時計は特にデザインもされておらず、シンプルなものばかりですが、その分どんなシーンでも着けれる時計ばかりです。使い方もそんなに難しいことはないです。高いものばかりではなく、機械式時計初心者の方のためにお手頃なものも用意しております!
ぜひお越しください。
オオヤ ヤスミ