夜ゲバ 円盤のレコード寄席
円盤のレコード寄席
『宣伝用配布レコードの世界』
2026年2月2日(月)
開場:18:00
開演:19:00〜(3時間程度)
開催場所:倉敷カフェゲバ
ゲスト:田口史人
会費:¥2,000(税込)/1人※+ドリンク代(コーヒー、お酒他)
※軽食もご用意します。
カフェゲバでは前回2024年12月に開催していただいてからの約1年越しの第2回目。
初めての「レコード寄席」開催でしたが、来ていただいた方の満足度120%!と自信をもって言えます。店長西田も初体験でした。身を乗り出すように聞き入ってしまう、田口さんの話。あっという間の3時間。待ちに待った2回目の開催ですが、恐縮ながら私の独断で個人的に聞きたい話をリクエストさせていただきました。かーなり迷いましたが。ずばり『宣伝用配布レコードの世界』。「宣伝用配布レコード」というのがあったんですねえ。ソノシートというらしいです。「レコード」は「音楽」を聴くもの、ではなかったころ、その周辺のお話が聞けるようです。
もう書かなくてもお分かりいただけたかと思いますが、レコード寄席は、普段家でレコードを嗜んでおられる方だけに向けたイベントではありません。仕事始めの月曜の夜に、ちょっとカフェゲバに寄り道して「レコード」を通して見えてくる人々の営みをのぞいてみましょう。
★宣伝用配布レコードの世界
「音楽を売るため」に作られたのではないレコードの代表で最も人々の記憶に残っているはずなのが、「音の出るちらし」宣伝用の配布ソノシートでしょう。レコードそのものではなく、別の何かを売るために作られた無数のレコードたち。CMソングが入っていることが多いので音楽ファンにも人気の高いものが多いこの手のレコードを追うと、レコードそのものの消費の歴史も見えてきます。
音楽を聴くイベントではありません!!
音楽から社会の多岐にわたる“あなた”にとても関わりの深い事柄を“聴く”会です。
この手法は漫画、お菓子、友人等でも出来るのです。
社会に溢れるモノや事から世界を紐解く方法を手に入れに来て下さい。
オオヤ ミノル
●レコード寄席とは?● 田口史人さんより
日本のレコード文化はかなり特殊だと思います。レコードが音楽を楽しむためのメディアだと考えたら、こんな無駄なことを徹底してやっている国は他にありません。ペラペラのソノシート、チラシのようなフォノカード、豪勢にすぎるピクチャーレコードなど、音の記録という意味ではあまり効果的ではない多様な形態を開発し、たったの2曲しか入らないシングル盤を無数に作り、しかもそれにいちいちジャケットを添付しているというのも日本独特の現象です。
レコードの制作費用も、その時代の生活水準に照らし合わせたら、現在のCDと比較してみれば、とんでもない高価なものであったはずです。にも関わらず、レコードは選ばれた人間やお金持ちだけが作っていたわけではなく、あまたの生活者が無数に制作し、家庭内に普通に存在していたのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。正直なところ、これが僕にも未だに大きな謎なのです。
確かなのは、レコードは記録メディアとして、つまり実用品として使用されていたのではなく、レコードという存在自体が国民に愛されていた、ということです。音楽を聞く目的以外に作られた無数のレコードや、大量のポータブル・レコード・プレイヤー、さらにはジャケットに刻まれた思いや、果ては所有者がレコードに残した痕跡など、たくさんのレコードに触れていて確かに感じられるのは、レコードという「物」に対する当時の人々の親しみです。レコードへの愛情だとか大袈裟な言い方をすると見失ってしまいそうなくらい自然な、まるで家族のように、そこにあって当然の親しみの情です。
デジタル・データの時代になった現在失われてしまったのは、正にこの自然な「物」に対する親しみと、安く、便利になったことで完全に失われてしまった、「物にありったけの自分の気持ちを込める」という姿勢です。レコードは、それがどんな形をしていようとも、簡単に作ることなどできはしない、プロフェッショナルの技術も必ずやどこかに生きていて、素人だろうと、プロの音楽家だろうと、本気の気持ちを込めて作っているからこそ受け止めて楽しめる、心をわくわくさせてくれる「物」たちなのです。
レコードは触れます、見れます、聞けます、匂います、そうして体感すれば映画なみのストーリーすら見えてきます。生き生きした生活者と、そこに関わった町の人々の姿すら見えてきます。レコード寄席ではそんなレコードの世界の実態を少しずつ覗いていこうと思っています。

PROFILE 田口史人(たぐち ふみひと)
1967年神奈川県横浜市生まれ。滋賀県彦根市在住。
レコード店円盤店主。
https://www.instagram.com/yamanoyu_hikone/
[お仕事]
音楽レーベル「円盤」
CD、レコードを350タイトルほど制作。
出版の「リクロ舎」
書籍30冊ほどを企画出版。
[執筆業]
1990年頃より音楽ライターとしてのキャリアスタート。
[その他]
各レコード会社での旧音源復刻、200タイトル。
レコード寄席にて全国を回っている。
[受賞]
田口 史人のレコード寄席〜「昭和の校長先生」編(長野SBC制作) 2022年度民放連賞ラジオ教養部門最優秀賞、ギャラクシー賞選奨を受賞。
著作 多数 田口史人の本で検索の通り。